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「なんでコロンビア多いの?」

お店の豆リストを見て「コロンビア多いですね」ってお客さまによく言われます。私たちもそう思います!笑

そもそも何でコーヒーは「コロンビア」など、ざっくり生産国名が商品名になることが多いのでしょうか。

コーヒーの味わいには品種や収穫してからの後処理、精製方法が大きく関係しています。

国によって伝統的な品種や精製方法が決まっているので、味わいも国による傾向があります。
(ちなみに国ごとの伝統的な品種は歴史。精製方法は気候などによって決まっていることが多いです。)

例えばケニアはSL28、SL34、バティアン、ルイル11という品種が多く植えられていて、チェリーを皮剥きしてから2回洗う、ダブルウォッシュトやケニア式と言われる精製を施されるものがほとんどです。これによりケニアのコーヒーは甘さと酸味、ボディが強くなりやすいです。

インドネシアでは生乾きの状態で脱穀するウェットハル、ギリンバサー、スマトラ式と呼ばれる精製をされるものがとても多いです。これにより大地やハーブを思わせる独特でスパイシーな味わいとボディ感が出やすいです。

さらに素材である生豆の特徴に合う焙煎をしようと、焙煎度合いも生産国によって傾向があるように思います。

例えば、インドネシアは強いボディと香りを生かした深煎り、エチオピアは軽やかで華やかな香りを生かした浅煎りが多いような気がしませんか?
(もちろん一概には言えません。インドネシアの浅煎り、エチオピアの深煎りを出しているロースターもたくさんあると思います。)

つまり「一般的にその国らしい味わい」というものがあるので、国名が商品名になったりすることが多いんだと私は思います。

【 伝統的な取り組みの理由 】
伝統的な精製方法はその土地に合う合理的な方法です。

乾季でも湿気が多かったり雨の降る地域ではチェリーをそのまま天日干しするナチュラルプロセスは乾燥に時間がかかったり、カビのリスクも高く、美味しく作るのは難しいです。

ウォッシュトプロセスは清潔な水が大量に必要だったり、大規模に生産するには高価な精製施設が必要です。水や資金に余裕のない地域では美味しいウォッシュトプロセスを作るのは難しそうです。

伝統的な精製方法というのはその地域でなるべく大量に、一定以上の品質で、効率良く生産するために洗練されてきた方法です。

品種も同じです。何年もかけて選抜・淘汰されてきた、たくさん収穫できて、美味しい、その土地に適合している品種が植えられています。

ですが、更なる品質の向上を求めて、効率的な伝統的な品種、精製方法以外を工夫してわざわざ採用している生産者さんもたくさんいます。

【 挑戦的な取り組み 】
伝統的な精製以外の新しい精製方法を各国、各生産者さんが実験、検証しています。
農作物であるコーヒーは年に1回の収穫。年に1回しか精製の実験ができません。
実験的な精製は失敗したら商品にならないリスクがあるので、少ない量で実験、上手くいったものを次の年にもう少し多い量、そして本格的に生産、となっていく流れが一般的かと思います。

そして品種は苗木を植えてから本格的に収穫できるようになるまでに3-5年もかかると言われています。土地には限りがあるので伝統品種を間引いて、新しい品種を植えて、きちんと育って、味わいが確認できのは3-5年後です。
少し植えて試してみて3-5年、良い結果だったら広い面積で生産を始めてさらに3-5年。とても時間がかかります。その間、本来だったら伝統品種で生産できていたはずの面積を捨てて実験してくれています。

ここまで時間とリスクをかけて、生産者側で挑戦的な取り組みをしてくれています。伝統品種、精製以外で作っているところは間違いなく品質重視。コーヒーの世界の歩みを進めてくれていて、本当に尊い営みです。

【 なんでコロンビア多いの? 】
ようやく本題「なんでコロンビアが多いの?」です。
コロンビアといえば精製、品種大国。品評会では毎年のように聞いたことのない名前の精製方法が出てきます。
ちなみにバリスタの競技会ではここ数年コロンビアとパナマのコーヒーがかなり多く使われていてトレンドになっています。

特に標高の高い、コロンビア中部-南部,、ウィラ、バジェデルカウカ、リサラルダ、キンディオ地域で新しい品種、精製方法が出てくることが多いように感じます。

コーヒーは年に1回の収穫が通常ですが、コロンビアでは雨季と乾季が地域によって異なり、メインクロップ、ミタカクロップ(=サブクロップ)と言って1年に2回の収穫ができたり、年中通して栽培ができる地域もあるそうです。
その分精製や品種の実験が早く進んでいるのではないでしょうか。

これにより伝統的な「コロンビアの味」というものに縛られず、挑戦的な取り組みが早く進み、多様な味わいが生まれるので、ついつい店のラインナップにも多く並ぶことになりがちです。

【 希少品種 】
チロソ、ブルボンアヒ、パパヨ、オンブリゴン、など毎年のようにコロンビア産のコーヒーで聞いたことのない品種が品評会、バリスタの競技会で使用されるのを目にします。

エクアドルで生まれたシドラやティピカメホラード、スーダンで生まれたスーダンルメ、エチオピアで生まれたゲイシャなど、コロンビア以外で生まれた希少品種をコロンビアで生育しているものもよく目にします。

【 精製方法 】
精製方法はさまざまな取り組みを各地で行われていて、精製方法の名前だけ聞いてもよく分からず、産地側で言ったもの勝ちのような状態になっているかと思います。

例えば一口にアナエロビック、と言っても発酵環境はビニール袋、ステンレスタンク、プラスチックバレルだったりとバラバラです。phや温度、圧力を測っていたり、回転させて撹拌したり、酵母を加えていたりと様々です。

お店ではなるべくわかりやすいように伝えているつもりですが、気になることは何でも聞いてくださいね。

【 生産量 】
コロンビアはコーヒーの生産量で世界4位。中でもアラビカ種のウォッシュトコーヒーに限ると世界1位の生産量になります。

例えばパナマやエクアドル、ボリビアなど素晴らしいコーヒーを作る国は他にもあります。個人的な感想ですが、広い面積のコロンビアは生産量の多い国ならではの割安感があります。

店頭では、味わいの素晴らしさに対して、なるべく価格の抑えたものをと真剣に選んでいると自然とコロンビアが増えてしまいます。

現在当店ではコロンビアのシングル4種、コロンビアだけで作ったブレンドを1種ご用意しています。多様なコロンビアコーヒー楽しんでくださいね。

なるべく短くまとめたつもりですが、長くなってしまいました。お楽しみいただけたでしょうか。
感想や質問など、店頭で聞かせてもらえたら励みになります!